日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
妊娠13週で全身麻酔下腰椎椎間板ヘルニア摘出術を施行した1例
甲田 賢一郎木村 悠香鵜澤 將三部 徳恵菅野 敬之北村 享之
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2015 年 35 巻 5 号 p. 589-594

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抄録

妊娠13週で全身麻酔下腰椎椎間板ヘルニア摘出術を施行した1症例を報告する.妊婦に対する手術・麻酔のタイミングは流早産・奇形の危険性が少なく,母体の解剖学的・生理学的変化が比較的少ない,第2三半期(妊娠14〜28週)が適している.本症例では神経症状の悪化と子宮が増大すると腹臥位が困難となるため,妊娠13週に手術を行った.また,妊婦に使用する薬剤の選択にも注意が必要であり,米国食品医薬品局とオーストラリア医薬品評価委員会の分類をもとにチオペンタール,フェンタニル,レミフェンタニル,セボフルラン,ロクロニウムを選択した.妊婦に対する非産科的手術の麻酔では母体の安全性を確保し,胎児への悪影響を最小限にするために子宮胎盤血流の維持や催奇形性薬物の回避に努める必要がある.

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© 2015 日本臨床麻酔学会
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