2016 年 36 巻 2 号 p. 230-235
予期せぬ挿管不能・換気不能(cannot intubate,cannot ventilate:CICV)の解除は二次救命処置の範疇に含まれるといえる.挿管不能・換気不能を形成する因子は患者の気道解剖だけでなく,生理的状況や麻酔科医の技量,手術室の環境因子なども含まれる.予期せぬCICVへの対応は麻酔科医の気道管理に関連した技術的能力だけでなくノンテクニカルスキルの習得が重要である.このようなノンテクニカルスキル養成のために気道管理に関連した周術期二次救命処置トレーニング(ALS-OP)が有効な可能性がある.本稿ではALS-OP気道編の内容と可能性について紹介する.