日本臨床麻酔学会誌
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〔第10回日本医学シミュレーション学会 学術集会〕 特別企画 ─周術期二次救命処置トレーニング(ALS-OP)の必要性─
中心静脈穿刺領域における二次救命処置トレーニング(ALS-OP中心静脈穿刺編)の必要性
上嶋 浩順駒澤 伸泰羽場 政法藤原 俊介岡安 理司大嶽 浩司
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2016 年 36 巻 2 号 p. 236-240

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抄録

われわれは,中心静脈穿刺後に起こりうる生命に関わる重篤な合併症に対して,迅速かつ適切に対応できるような二次救命処置トレーニングコースを開発した.中心静脈穿刺時に生命の危機に直結する「血胸による循環血液量減少性ショック」「気胸による閉塞性ショック」「空気塞栓からの肺塞栓」「ガイドワイヤーが契機となった致死性不整脈」「ガイドワイヤーによる心タンポナーデ」「内頸静脈穿刺による上大静脈穿孔」「感染による敗血症性ショック」の7つの合併症に関してシナリオを作成し,個々の受講生に適した方法論の習得と確立を目指したコースである.本コースは中心静脈の穿刺技術や教育法を習得するのではなく,穿刺後の合併症に早期診断・対応を行うためのコースである.そのため,日本医学シミュレーション学会が主催する中心静脈の穿刺技術や教育法を習得する「Central Venous Catheterization(CVC)実践セミナー」を補うコースとして必要であると考えた.

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© 2016 日本臨床麻酔学会
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