日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第35回大会 シンポジウム ─最先端心臓血管外科手術の麻酔管理─
ロボット支援下心臓手術の麻酔管理
重松 明香宮田 和人
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2016 年 36 巻 7 号 p. 696-702

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抄録

近年,低侵襲心臓手術MICS(minimally invasive cardiac surgery)が増加しているが,当院では従来の側開胸によるMICSよりもさらに低侵襲化したロボット支援下心臓手術を行っている.当院におけるロボット支援下心臓手術の麻酔管理の概要を紹介する.麻酔導入後,右内頚静脈から脱血管を挿入する.大腿動静脈から送血管,脱血管を挿入し体外循環を確立する.経食道心エコーは送脱血管の位置をガイドするほか,術前病変や心機能の把握,術後評価において非常に大事な役割を果たす.右胸腔にロボットアームを挿入するため,術中は分離肺換気が必要となる.ロボット支援下心臓手術は完全内視鏡手術であるため,麻酔科医は手術手技の詳細な手順を理解し,経食道心エコーの操作および評価方法を身につけておく必要がある.

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© 2016 日本臨床麻酔学会
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