日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第35回大会 招請講演
高齢化と術後認知機能障害
横山 正尚
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2017 年 37 巻 2 号 p. 193-200

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抄録

術後認知機能障害(postoperative cognitive dysfunction:POCD)の発症に関して,最も関連の強い危険因子は加齢であることが報告されている.高齢化が加速し,超高齢社会を迎えた現在,高齢者の手術が激増しており,POCDは大きな社会問題となる可能性がある.しかし,POCDに関する臨床研究の対象や評価方法は,いまだ標準化されておらず,その解明が進んでいるとは言えない.一方,基礎研究レベルではPOCDの発症に神経炎症が関係していることが強く示唆されている.POCDの今後の予防戦略としては,可能な限り神経炎症を抑制する周術期管理が望まれる.

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© 2017 日本臨床麻酔学会
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