日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第35回大会 シンポジウム ─Goal-Directed Therapy(目標指向型輸液療法)の実践~国内外の実例を交えて~─
ERAS時代の目標指向型輸液療法(Goal-Directed Therapy)
松崎 孝森松 博史
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2017 年 37 巻 2 号 p. 219-224

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抄録

●周術期の輸液管理は重要で,脱水と輸液過剰は術後合併症の点で有害である.

●侵襲の伴う開腹手術における長時間の絶食はエビデンスが乏しい.

●術中の維持輸液は術前の体重を維持する目的(ゼロバランスの維持)で施行すべきである.

●周術期に1回拍出量を指標にした目標指向型の輸液管理は,合併症を有するハイリスクの患者群  で術後合併症や病院滞在日数を軽減させる可能性があるが,前向き研究では否定的である.

●可能ならできるだけ術後早期に点滴は中止して,経口摂取を再開するべきである.

●問題がなければ周術期の乏尿は経過観察すべきである.

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© 2017 日本臨床麻酔学会
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