2017 年 37 巻 2 号 p. 219-224
●周術期の輸液管理は重要で,脱水と輸液過剰は術後合併症の点で有害である.
●侵襲の伴う開腹手術における長時間の絶食はエビデンスが乏しい.
●術中の維持輸液は術前の体重を維持する目的(ゼロバランスの維持)で施行すべきである.
●周術期に1回拍出量を指標にした目標指向型の輸液管理は,合併症を有するハイリスクの患者群 で術後合併症や病院滞在日数を軽減させる可能性があるが,前向き研究では否定的である.
●可能ならできるだけ術後早期に点滴は中止して,経口摂取を再開するべきである.
●問題がなければ周術期の乏尿は経過観察すべきである.