2017 年 37 巻 4 号 p. 476-479
声門上器具(SGD)は,世界各地のどの気道確保ガイドラインを見ても緊急気道確保の重要な気道確保器具としての位置付けは揺るぎない.にもかかわらず,われわれは緊急気道確保を行う状況でSGDを選択することは少ない.「男性」「45歳以上」「短頸」「後屈制限」などSGDを挿入しにくい症例や誤嚥の危険性が高い症例などSGD挿入時の「限界」と,本当にSGD挿入の有効性が気管チューブよりも優れているかが明らかではない「問題点」が,われわれの頭の中に常によぎっていてSGDの使用を躊躇していると考えられている.そして何よりもまだわれわれはSGDのことで知らないことが多い.