日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
日本臨床麻酔学会第36回大会 シンポジウム ─挿管不可,換気不可! “最終手段”は本当に役立つか?─
緊急観血的気道確保の問題点
浅井 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 37 巻 4 号 p. 480-484

詳細
抄録

全身麻酔の導入後,気管挿管不可,フェイスマスクを用いた換気不可(いわゆる“挿管不可,換気不可”状態)になった場合の対処として,各国の気道確保ガイドラインは,声門上器具の挿入と換気を試み,それが有効でない場合,“最終手段”として,下気道への観血的なアクセスをすべきとしている.しかし,観血的気道確保法で酸素化ができない場合もあることが判明している.そのため,有効な方法を用いる必要がある.これまでの研究結果を総合すると,外科切開により輪状甲状間膜を同定してから穿刺するのが最も効率がよい,と判明しているため,それができる知識と能力を身に付けておく必要があろう.

著者関連情報
© 2017 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top