2018 年 38 巻 3 号 p. 354-357
JRC蘇生ガイドライン2015は,GRADEを用い評価・作成されたCoSTR(科学的レビュー集)を基に作成されている.以下に概要を述べる.1. 用手的CPRの代替として自動機械的CPRを,他方ECPRは従来のCPRに反応しない条件付きで使用する.2. アドレナリンはnon-shockable rhythmの院外心停止では,できるだけ早期に投与する.3. ROSC後,低酸素症を回避する.しかし,酸素状態がSpO2等で確認できるまでは100%酸素を投与する.4. 院外心停止で,調律にかかわらずROSC後意味のある反応がない場合は,体温管理療法を行う.また,院内心停止例で,調律にかかわらず,ROSC後意味のある反応がない場合は,体温管理療法を行う.その場合32~36℃の間で一定した体温レベルを短くとも24時間維持する.復温後も高体温を避ける.5. 特に低体温療法施行例では,ROSC後72時間以降に予後評価を行う.6. 自己心拍再開し,その後死へ至る場合,臓器提供の可能性を評価する.