2018 年 38 巻 3 号 p. 358-363
JRC蘇生ガイドライン2015の急性冠症候群(ACS)を概説する.診断では病院到着前12誘導心電図を推奨し,除外診断では高感度トロポニン2回測定法のみの判断は推奨しない.低酸素血症のない患者への酸素のルーチン投与は差し控えるよう提案し,プライマリーPCIを施行するSTEMI患者へのADP受容体拮抗薬と未分画ヘパリンの投与は病院収容前後のどちらでもよいと提案する.STEMI患者はプライマリーPCIが可能な病院に収容するよう推奨する.発症からの時間とプライマリーPCI施行までの時間による血栓溶解療法の選択を提案する.STEMIによる心停止が疑われる患者が自己心拍再開した場合の緊急CAGを推奨する.