2018 年 38 巻 4 号 p. 482-489
胸部傍脊椎神経ブロック(TPVB)は,超音波ガイド下に行うことにより安全性と確実性が向上し,周術期およびペインクリニック領域での末梢神経ブロックとして近年広く用いられるようになってきている.TPVBにはさまざまなアプローチ法がある.これらをマスターするには,まず胸椎の周辺解剖を理解し,さまざまなプローブの扱いに慣れることが重要である.患者や術式に応じてアプローチ法を使い分けることは,自らの手数を増やすことにつながり,臨床において非常に有用であると考える.本稿では,傍脊椎腔周囲の解剖およびアプローチ法の詳細について解説する.