2018 年 38 巻 4 号 p. 490-494
国内で超音波ガイド下神経ブロックが行われるようになってほぼ10年が経過した.この間,超音波装置は内部の画像処理技術の進歩と高周波数化により格段に進歩した.さらに穿刺針を強調する機能が実用化し深部のブロックでも針を確認しやすくなった.ブロック針の超音波の反射を高める加工やニードルガイドの併用により確実に描出することが可能である.局所麻酔薬については局所麻酔薬中毒時の脂肪乳剤の有用性が確立し,早期よりの対応が可能となった.今後はテクノロジーの進化を手術患者のよりよい周術期管理に生かしていくために,麻酔科医自身の進化が望まれる.