日本臨床麻酔学会誌
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特集:産科麻酔(第1回)
胎児治療(子宮内手術)の麻酔管理
佐藤 正規鈴木 康之
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2018 年 38 巻 4 号 p. 548-555

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抄録

妊娠早期からの出生前診断の進歩に伴い,子宮内で胎児の治療を行う胎児治療が発展してきた.胎児治療は新しい医療であるが,わが国でも多くの施設で行われており,内科的治療から侵襲度の高い外科的治療まで幅広い.麻酔科医は母児双方に適切な麻酔を提供することが求められる.術式に限らず,母体や胎児の生理を理解した上で,個々の症例に対応した麻酔法を選択することが重要である.麻酔管理上は子宮胎盤循環の維持,子宮弛緩,最適な術野,胎児循環モニタリングに重点を置き,かつ母児へのリスクは最小限とする管理を目指す.Ex-utero intrapartum treatment(EXIT)では,多くの診療科と医療スタッフとの協力体制を構築し,適切なチーム医療の提供が求められる.

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© 2018 日本臨床麻酔学会
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