2018 年 38 巻 4 号 p. 556-561
麻酔科医は,手術室での麻酔を通して全身管理には長けているが,無痛分娩の安全性を担保するためには,それに加えて周産期医学の深い理解が不可欠である.また,一緒に働く産科医や助産師との円滑なコミュニケーションも重要なポイントとなる.わが国では無痛分娩はいまだ広く普及していないが,そのニーズは年々高まっている.本稿では無痛分娩の具体的な方法についても紹介するが,無痛分娩を実践する際には無痛分娩を実践している施設での産科麻酔の研修を済ませてから実施することが強く求められる.