2021 年 41 巻 2 号 p. 198-203
「働き方改革関連法案」が成立し,医師については2024年から施行される.地域の基幹病院の外科医の現状を調査し,働き方改革に繋がる方策を検討した.外科医1人当たりの平均時間外労働時間は年間650時間であったが,大学からの若手ローテーターは常勤医の約2.6倍の1,220時間であった.医師の労働時間は科や年齢などを考慮し評価する必要がある.「働き方改革」は労働時間の短縮,制限のみが強調されることが多いが,真の改革には個別に労働環境に負荷となっている因子を分析し,軽減する方策をとることが重要である.多職種とのワーク・シェアリング,タスク・シフティングは有効と考えられる.