2021 年 41 巻 5 号 p. 447-450
脊髄鎮痛に高用量のモルヒネが必要となった2例を報告する.症例1は70歳代,男性,直腸癌の診断.オピオイドスイッチングを行い,フェンタニル貼付剤5mg/日と,モルヒネ18mg/日のくも膜下持続投与で良好な鎮痛を得た.症例2は50歳代,男性,多形癌の診断.最終的に,フェンタニル貼付剤18mg/日と,モルヒネ90mg/日の硬膜外持続投与で良好な鎮痛を得た.高用量のオピオイド調整には時間を要し,必ずしも換算表どおりのスイッチングにはならないこともある.本症例ではオピオイドの全身投与と脊髄鎮痛を併用し,オピオイドの用量調整期間を短縮させ,早期退院することができた.