2024 年 44 巻 3 号 p. 312-322
近年,手術患者の高年齢化が進み,ハイリスク手術も増加している.かつて麻酔科医には安全な「術中管理」が求められていたが,昨今では安全な「周術期管理」が求められるようになってきている.当院では周術期管理センターを設置し,麻酔科医,看護師,薬剤師,歯科衛生士が常駐して全ての麻酔科管理症例の術前診察をシステマティックに行っている.患者が周術期管理センターを受診するまでに検査データは全て揃えられ,必要に応じて他科受診も済まされる.このため当院では効率的で質の高い術前評価を行うことが可能となっている.本稿では,当院における周術期管理センター運用の実際を紹介する.