2024 年 44 巻 3 号 p. 323-331
栄養障害患者やサルコペニア患者では術後合併症の増加が懸念され,プレハビリテーションによる術後合併症の低減が報告されている.当院では2018年より周術期管理センターでのプレハビリテーションに着手した.専任管理栄養士2名が体組成測定や栄養指導を行い,2021年からは経口補助栄養剤による栄養介入も開始した.栄養介入による体組成の改善効果が得られた.患者に寄り添うこと,主治医や栄養サポートチーム(NST)とのシームレスな連携を重視した.また,食道癌患者への診断早期からの運動療法を開始し,現在,自宅での運動療法のための動画等の作成準備を進めている.プレハビリテーションによる患者の予後改善への寄与は周術期管理センターの次なる役割と考える.