1991 年 11 巻 1 号 p. 50-54
全身麻酔中腹臥位が呼吸機能にどのような影響を与えるかを検討するために小児22人の呼吸機能を仰臥位と腹臥位とで計測した.1秒率,時定数,呼吸抵抗に関しては仰臥位から腹臥位にしても一定の傾向がみられなかったが,全肺静的コンプライアンスは2ヵ月以上の児では減少,2ヵ月未満の児では逆に増加する傾向という興味ある結果が得られた.その理由として体重の圧迫による内臓の移動が関係すると思われた.2ヵ月以上の児では腹臥位時腹部圧迫を完全にフリーにすることができなかったためと考えられた.