慢性呼吸不全症例では,非可逆的な病変の進行,残存呼吸予備能の低下等により,急性増悪時の管理はむずかしい.ICUに収容した,185名の慢性呼吸不全患者の急性増悪の管理についてretro-spectiveに調査した.その結果,これらの患者では,入退室を繰り返す,在室日数が長い,原疾患として肺結核が多い,という特徴がみられた.急性増悪は冬と夏に多く,死亡率は春と秋の入室者に高いという,季節との関係がみられた.また,入室時に意識障害の認められた症例では死亡率が高かった.全体の死亡率は10.8%であり,ミニ気管切開(トラヘルパー®)の導入により若干の死亡率の低下と在室日数の大幅な減少が得られた