日本臨床麻酔学会誌
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片肺換気時のカプノグラフの有用性
サンプリング位置によるa-ETDCO2
木下 浩之宮脇 宏岡藤 直子國井 達雄坂部 武史
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1992 年 12 巻 7 号 p. 726-730

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抄録

食道癌手術症例で,片肺換気時の呼気終末炭酸ガス分圧(PETCO2)と動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2),シャント率を測定し,PETCO2とPaCO2との差(a-ETDCO2)とシャント率との相関およびa-ETDCO2のサンプリング位置による相違を検討した.PETCO2は,ダブルルーメンチューブ(DLT)の気管分岐部近く(A),Yピースの麻酔器側(B)の二カ所で測定,比較した.PETCO2とPaCO2は,A,Bいずれでも良い相関が得られた(P<0.01).一方,a-ETDCO2はAの方がBより有意に小さかった(p<0.05).片肺換気時のカプノグラフモニタでは,サンプリング位置でa-ETDCO2の増大の程度が異なることを念頭に入れておくことが大切である.

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