抄録
1981~1991年の11年間に札幌医科大学付属病院にて施行された心臓内腫瘍手術症例12例について検討した.発生部位は,左房内が8例,右房内が2例,右室内が1例,左室内が1例であった.これらの心臓内腫瘍摘出術の周術期に発生した主な合併症として,3例に血流障害に伴う急激な血圧低下を,7例に刺激伝導系障害を認めた.また右室腫瘍の1例は術後2日目に急激な心不全症状を呈して死亡した.血流障害に対して2例に体位変換を行なうことによって,1例にカテコラミン投与を行なうことによって血圧を維持した.刺激伝導障害を呈した7例は対外循環離脱時に心ペーシングを必要とし,うち2例は恒久的心ペーシングを必要とした.