1993 年 13 巻 3 号 p. 288-291
麻酔管理中発生したアナフィラキシーショック症例中,ヘマトクリット値の測定が施行された3症例をretrospectiveに検討し,術中のアナフィラキシーショック時のヘマトクリット値およびその値をもとに計算して得られる喪失循環血漿量値の意義を検討した.その結果,アナフィラキシーショック時には少なくとも1L以上の血漿の血管外漏出が起こっており,このような緊急時に際してのヘマトクリット値の測定は,ショックの程度,治療状況を判定できる簡便な検査の一つとして臨床上有意義であると考えられた.