当科では,麻酔管理上の問題を有する患者の情報を早期より得るために,術前に麻酔科外来を受診させるシステムを作成し1989年より行なっている.受診者数は年々増加し,現在では全麻酔症例の13%を占めている.外来受診の原因となった合併症は,頻度順に循環器系疾患,呼吸器系疾患,神経•筋疾患であった.また全外来受診数の9%の患者で,検査•処置の追加が行なわれた.本システム施行後,前日または当日に手術が中止や延期になった症例の割合が全麻酔件数の約1%低下しており,不意の手術中止や対策不備の状態で麻酔を施行することが減少したものと考えられる.