1994 年 14 巻 3 号 p. 251-256
7人のうつ病と3人の精神分裂病患者に対し,無痙攣性電撃療法を計85回行ない,呼吸,循環動態,術後の血清クレアチンキナーゼ(以下CK)に与える影響を調査した。
100%酸素を4回深呼吸させ,続いて自発呼吸下で3分間吸入させてから,チオペンタール5mg・kg-1,サクシニルコリン0.6mg・kg-1を静注した後に頭部通電を行なった。
無痙攣性電撃療法による血圧,心拍数の有意な変化はなく,CK値もECT原法に比べ上昇しなかった。術後7人の患者は調節呼吸を必要としなかった。
本方法はCK値や循環系に与える影響も少なく,今後検討を加えれば調節呼吸なしで行なえる可能性があると思われた。