日本臨床麻酔学会誌
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小児持続仙骨硬膜外麻酔法の検討-第2報
井口 まり森本 文子秦 恒彦
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1995 年 15 巻 4 号 p. 303-308

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抄録

持続仙骨麻酔・腰部硬膜外麻酔において,初回投与量1%メピバカイン0.8ml/kg,追加量0.4ml/kgとして血中濃度を測定し,その推移を調べた。両群の血中濃度に有意差はなく,最高9回まで追加投与したが中毒域値以下に抑えられていた。
この結果は会陰部・下肢の手術に対しては仙骨麻酔を,下腹部の手術に対しては腰部硬膜外麻酔を選択すれば,この投与量で必要な麻酔域を得ることができ,長時間安全に使用できることを示している。体格・術式・手術時間などを考慮して手技と薬剤量を使い分ければ小児の仙骨・腰部硬膜外麻酔は安全に行なえると考える。

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