1997 年 17 巻 2 号 p. 112-115
要旨Sotos症候群を伴う患児に対して,2回の全身麻酔を経験した.患児は精神発達遅滞のため,導入時に著明な興奮状態を呈した.またWhite and Kanderの方法(W&K法)で頭蓋X線計測を行なった結果,挿管困難が予測された.しかし実際の喉頭展開と声門の確認は容易で,第1回目はフェイスマスクで,2回目は気管内挿管による吸入麻酔下に,手術を無事終了した.頭蓋骨に形態異常を認める症例の挿管困難の予測に,W&K法を適用すると,挿管困難を過大予測することを指摘した.