日本臨床麻酔学会誌
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凝固障害を伴う急性妊娠性脂肪肝を合併した「エホバの証人」の1例
石山 由香里加藤 清司松崎 重之
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1997 年 17 巻 5 号 p. 324-327

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抄録
33歳,妊娠27週に発症した急性妊娠性脂肪肝の妊婦の帝王切開の麻酔管理を経験した.著明な凝固障害と出血傾向を合併していたため,全身麻酔のみで管理した.診療上,輸血は不可避であったが,患者は「エホバの証人」だったため,最初は手術そのものを拒否していた.患者の全身状態と手術,輸血の必要性を十分説明し,「最大限の努力をしたうえで,最小限の輸血にしてほしい」という了解を得たうえで輸血を行ない,救命しえたが,患者の希望を尊重した結果,輸血開始時期の判断に苦慮した.
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