抄録
上腹部手術時の硬膜外大量フェンタニル(F) (0.01mg/kg)麻酔にモルヒネ(M) (0.06mg/kg)を混合投与した際の,循環動態に及ぼす影響と術後鎮痛効果を検討した.対象を7名ずつ硬膜外F+M投与(FM)群,硬膜外リドカイン+M投与(LM)群および硬膜外F単独投与(F)群の3群に分けた.いずれの群も笑気とセボフルランによる全身麻酔を併用した.LM群では他の2群と比べ術中の昇圧薬と輸液の投与量が有意に多かった.F群はFM群より高いセボフルラン濃度を必要とした.また,FM群は他群と比べ術後の鎮痛薬使用頻度が有意に少なかった.各群とも重篤な副作用は認められなかった.麻酔開始時の硬膜外腔へのフェンタニルとモルヒネの混合投与は,術中・術後管理のうえで有用と考えられた.