日本臨床麻酔学会誌
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21世紀の内視鏡外科
北島 政樹大上 正裕
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キーワード: 内視鏡外科, 遠隔手術
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1997 年 17 巻 9 号 p. 489-492

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抄録

内視鏡下手術は,腹腔鏡下胆嚢摘出術が導入されて以降,手術手技の進歩と周辺医療機器の急速な発達により,急速に適応が拡大してきている.内視鏡下手術は,直視下ではなくモニターを通じて行なう鏡視下手術であるという特性と,直接臓器に触れずに遠隔操作で行なう手術であるという特性の二つの大きな特徴をもっており,そのためにこの手術法に習熟するためには技術的に大きな困難を伴うのが現状である.この不自由さの克服には新しい手術法の開発や手術技術の向上だけでは限界があり,21世紀に向けて3-D, high vision映像,robotics, virtual reality, tele-sur-geryなどの新たなテクノロジーの導入が期待されている.これらさまざまなテクノロジーの進歩により,21世紀の内視鏡下手術は,現在の姿から大きく進化した形に変貌する可能性を秘めており,今後さらなる適応の拡大とともに,今以上に安全にそして容易になりつつ普及していくものと考えている.

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