日本臨床麻酔学会誌
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肺切除術中に生じた重症喘息発作に対して血液ガス連続モニターが麻酔管理に有用であった1症例
中山 禎人其田 一住田 臣造並木 昭義
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キーワード: 喘息, 術中監視, 血液ガス
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1998 年 18 巻 4 号 p. 399-402

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抄録
肺切除術中に重症喘息発作を生じ,麻酔管理に難渋した症例に,血液ガス連続モニター(Paratrend 7TM)が麻酔管理上有用であった1例を経験した.症例は開胸操作開始後より喘鳴を伴う喘息発作を生じ,頻回の手術中断と両肺換気を余儀なくされたが,その際Paratrend 7TMにより,終末呼気炭酸ガス濃度モニターでは検出できなかった術中の高炭酸ガス血症および低酸素血症をいち早く察知可能となり,病態の早期診断に有用であった.またその後も本来必要と思われた頻回の血液ガス分析が必要なく,リアルタイムで血液ガスの情報を知り得た.Paratrend 7TMは喘息発作を伴う手術の麻酔・周術期管理にきわめて有用であると考えられた.
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