日本臨床麻酔学会誌
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放射線照射濃厚赤血球の輸血後に高カリウム血症により心停止をきたした2症例
宮澤 一治太田 助十郎小嶋 由希子水沼 隆秀西川 俊昭
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1998 年 18 巻 9 号 p. 724-728

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抄録

仰臥位で行われた手術後,一過性に下肢のしびれ感,疼痛,歩行障害が出現し,腓骨神経麻痺の診断で治療を要した3症例を経験した.3症例とも症状は一過性で麻痺を残すことはなかった.今回の腓骨神経麻痺は術中の体位固定による膝部の過伸展が主な原因ではないかと考えられた.膝上部大腿後面にスポンジ製パッドを敷き,膝窩部をやや屈曲させ,また,ベルト状の抑制帯は膝部を避け,ややゆとりをもって大腿部もしくは下腿部に巻くなどの防止策をとって以来,仰臥位手術後の腓骨神経麻痺の発現をみていない.

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