日本臨床麻酔学会誌
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小児の硬膜外麻酔の合併症
井口 まり森本 文子秦 恒彦
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キーワード: 硬膜外麻酔, 小児, 合併症
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1999 年 19 巻 7 号 p. 485-490

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抄録
当院において1980年9月から1995年3月に行なった16歳未満の硬膜外麻酔(仙骨麻酔を除く)1,287例を対象とした.年齢5ヵ月から15歳9ヵ月,身長63~175cm,体重6.51~89.5kgであった.合併症は硬膜穿刺17例,出血5例,局麻薬中毒疑い4例,硬膜外膿瘍1例であった.硬膜穿刺は17例中10例が20G Tuohy針にて発生しており,不慣れな小児用の細い硬麻針を用いることが原因の一っと考えた.また,硬膜外膿瘍の1例は帯状疱疹の症例で,痛みのため穿刺前の入浴,清拭が十分ではなかったことが疑われた.この症例は椎弓切除•病巣掻爬を行ない,後遺症を残さず退院した.小児の椎間硬膜外麻酔は近年急速に増加しており,より安全な穿刺を心がけたい.
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