日本臨床麻酔学会誌
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日帰り手術に向けての麻酔管理のあり方に関する検討
浅野 克則今井 秀一三島 済田村 真清水 賢一今井 麻里
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2000 年 20 巻 10 号 p. 629-634

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抄録

腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下ラパコレ)の日帰り(同日退院)手術を将来の目標として,短期入院による同手術を開始した.麻酔科医の術前診察は基本的に入院の数日前に外来で実施し,入院は希望に応じて手術の前日または手術当日とした.前投薬はなし.麻酔は硬膜外麻酔併用の全身麻酔(プロポフォール使用).尿道カテーテルは挿入せず,必要に応じて導尿することとした.術後は帰室4時間後にトイレ歩行,術後痛に対してはNSAIDsを使用することとした.全30例に行ない,特に術中問題となるケースはなかった.帰室後6時間以内に94%で自尿を認め,80%で歩行が可能となった.術後痛,嘔気は女性に有意に多く認められた.症例をしっかり選択すれば,日帰りラパコレは十分可能と考えられる.また実施にあたっては,患者への十分な説明,教育と退院後のバックアップ体制が重要である.

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