日本臨床麻酔学会誌
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ETCO2モニタ回路の汚染に関する検討
祖父江 和哉津田 喬子永田 健充竹内 昭憲中川 隆勝屋 弘忠
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2000 年 20 巻 4 号 p. 209-215

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抄録

手術室で使用中のETCO2モニタ機器の汚染状況を調査したところ,細菌が高頻度に検出された.そこで,手術室において1ヵ月間あるいは2ヵ月間の期間別に複数患者に使用したところ,ETCO2モニタ機器の使用期間が長くなるにつれて細菌汚染がより高頻度となる傾向にあった.さらに,気道感染を有するICU長期入室患者1名に対してETCO2モニタの経時的汚染状況を調査したところ,24時間で患者からモニタへの細菌の移行が生じた.つまり,患者からモニタへの細菌汚染は比較的短時間に,高頻度に生じることが示唆され,単一ETCO2モニタ回路の複数患者への使用は問題があると考えられた.複数患者への使用には,細菌除去フィルタの使用等の対策が必要である.

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