日本臨床麻酔学会誌
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頭頸部海綿状血管腫の血流分布変化により術後可逆性気道狭窄をきたした症例
内藤 嘉之有沢 創志澤田 正樹
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2001 年 21 巻 9 号 p. 443-446

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抄録

頬部から舌根・中咽頭周囲組織に広がる海綿状血管腫を有する13歳,女性に対し,intratumoral ligation法による頬部血管腫圧迫形成術が行われ,術後出血に対してタイオーバー法による圧迫止血術が追加施行された.術後舌根から中咽頭周囲にかけての血管腫残存部に著しい腫脹がみられ,遷延性の気道狭窄を引き起こしたため,15日間にわたって気管挿管による気道確保を余儀なくされた.頬部手術創のタイオーバーを解除したところ,気道狭窄は速やかに改善し抜管可能となった.中咽頭部気道の可逆性狭窄をきたしたメカニズムとして,頬部海綿状血管腫の圧迫により血管腫内の血流分布が中咽頭周辺部へ著しく偏り,同部の腫脹を引き起こした可能性が考えられた.

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