日本臨床麻酔学会誌
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マンニトールが原因と考えられた高カリウム血症の高齢者2症例
五十洲 剛管 桂一藤井 真行
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2001 年 21 巻 9 号 p. 447-450

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抄録

マンニトールが原因と考えられた高カリウム血症の2例を経験した.2例はいずれも高齢で脳動脈瘤のクリッピング術の術中,マンニトール500ml投与後に起こり,症例1はカリウム値が6.27mEq•l-1,症例2は6.20mEq•l-1まで上昇した.2症例の高カリウム血症の原因は,著明な代謝性アシドーシスがなかったことより,マンニトール投与による血漿浸透圧の上昇により細胞内液が細胞外に移行するのに伴い,細胞内カリウムが細胞外液に移行したためと考えられた.高齢者でマンニトールを使用する際は,定期的な電解質チェックが必要である.

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