日本臨床麻酔学会誌
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ラリンジアルマスク抜去直後に肺水腫を発症した1症例
臼田 美穂近江 明文白石 としえ金子 英人石井 脩夫池田 寿昭
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2002 年 22 巻 10 号 p. 389-392

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抄録

右膝関節鏡および右下腿部抜釘術の全身麻酔にラリンジアルマスク(LMA)を使用し,手術終了後,LMA抜去直後に喉頭痙攣による上気道閉塞が原因と考えられる急性肺水腫を発症した症例を経験した。本症例では抜去直後に換気不全となったため,ただちに気管挿管した。肺水腫に対しては人工呼吸管理を行った。翌日には人工呼吸器から離脱可能となり抜管した。本症例は著明な肥満を伴っており,術後の詳しい病歴聴取では,術前に軽度の上気道炎症状を伴っていたことがわかった。このような症例にLMAを使用する場合,抜去後の呼吸状態を十分観察するとともに,上気道閉塞状態に至った場合,迅速な気管挿管ならびに適切な呼吸管理が必要である。

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