日本臨床麻酔学会誌
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術後の意識障害・半身麻痺を契機に発見された硬膜動静脈瘻(奇形)の1症例
竹島 太郎真弓 雅子白石 義人内山 智浩山口 尚子
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2002 年 22 巻 2 号 p. 102-105

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抄録

50歳,男性.下部総胆管癌で膵頭十二指腸切除術を受けた.術後3日目,離床時に,意識障害に引き続いて心肺停止となり,ICUで蘇生されたが,半身麻痺が残存した.肺梗塞は肺血流シンチグラフィーで否定され,脳血管造影で硬膜動静脈痩(奇形)が両眼動脈から右硬膜静脈に認められ,上矢状静脈洞の閉塞,頭部CTにおける右前頭部の脳浮腫も認められた.術後脳血管障害の合併症として静脈洞閉塞と硬膜動静脈痩(奇形)を念頭におく必要がある.

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