2003 年 23 巻 6 号 p. 145-148
ベクロニウムによる筋弛緩からの自然回復時,顔面神経刺激により誘発される眼輪筋収縮反応と,尺骨神経刺激による母指内転筋収縮反応において,視覚的に四連反応時の減衰が識別不能になる際の四連反応比の差について検討した.減衰が確認できなくなった時点における四連反応比計測値は眼輪筋で有意に小さく(眼輪筋:0.47,母指内転筋:0.51,<中央値>),眼輪筋では母指内転筋に比し判別感度が劣る可能性が示唆された.つまり視覚的には筋弛緩効果の残存を母指内転筋同様,眼輪筋でも十分に評価できない.