日本臨床麻酔学会誌
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小児仙骨硬膜外麻酔
ブピバカイン必要量と血中濃度の推移
高崎 真弓
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1985 年 5 巻 1 号 p. 88-93

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抄録

乳幼児の仙骨硬膜外麻酔をブピバカインで行い, 1回の投与で手術可能な時間, 1分節の麻痺を得るのに必要なブピバカインの量, 血中濃度の推移を調べた. 体重5kg未満のものには0.25%ブピバカインを, 5kg以上のものには0.5%のものを用いた. ブピバカインの1回投与で2.5-3時間の手術が可能であった. 1分節の無痛を得るのに必要なブピバカインの量y(ml/分節)と体重x(kg)はよく相関し(r=0.97, p<0.001), 回帰直線y=0.050x-0.025を得た. エピネフリンを添加した0.5%ブピバカイン0.74ml/kg(3.7mg/kg)投与後, 30分ないし45分で全血中ブピバカイン濃度は最も増加し, 平均0.62μg/mlになった. 1μg/mlを越えたものは20例中2例だけである. 小児の仙骨硬膜外麻酔では, ブピバカインの1分節当たりの必要量はリドカインのそれより少ない. ブピバカインを用いると長時間の手術を安全に行える.

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