日本臨床麻酔学会誌
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高力価第VIII因子抑制物質を有する胃癌患者の一麻酔経験
諸岡 浩明河原 功一野方 晋有吉 俊一長谷場 純敬後藤 裕
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1986 年 6 巻 2 号 p. 166-169

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抄録

高力価第VIII因子抑制物質による著明な出血傾向を有した45歳女性で, Borrmann IV型の胃癌が原因と考えられたため, 胃全摘術を行なった. 内科的治療が試みられていたが, 根本治療として手術が予定された. 術前に同抑制物質力価が著しく上昇していたので, 手術直前に全身麻酔下で血漿交換の後, 第VIII因子製剤の補充を行ない, 引き続き手術を開始した. 術前処置によって第VIII因子活性は著明に上昇し, 術中に異常出血もなく無事手術を終了したが術後3日目にMOFを来し死亡した. その概要を考察を加えて報告する.

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