日本臨床麻酔学会誌
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膜型人工肺による呼吸管理の展望
森岡 亨
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1986 年 6 巻 6 号 p. 443-451

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抄録

人工呼吸が生命維持効果の反面, 病変治癒を妨げてはいないかの反省が出ている時に, 一方では膜型人工肺での救命率が高くなってきた. 人工心肺による呼吸管理の歴史的展開, 呼吸管理法としての実用化のために払われた基礎的研究の紹介, 膜型肺によるECMOから救命率の好転を招いた新概念ECCO2RとECLAへの移り変わり, 興味ある自験症例と国内外における救命成績, 膜型肺による呼吸管理の適応とその安全な施行のための注意, 内外の研究動向などを展望し, 人工肺による呼吸管理のための周辺機器は未開発なので, 臨床麻酔科医自らが生体管理の担い手として研究に取り組むべき時期に来ていることを説いた.

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