日本臨床麻酔学会誌
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EAPの免疫系におよぼす影響
田山 文隆松岡 晴江無敵 剛介徳富 康男原 昭典横山 三男
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1988 年 8 巻 6 号 p. 495-501

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抄録

ハリ治療 (EAP) が免疫系におよぼす影響を健常群と疾患群について, リンパ球サブセットを指標として検索を行った. EAPは, 合谷-手三里に15分間置針通電し, 通電刺激の前後に採血した. Tリンパ球サブセットの検定には, モノクローナル抗体としてOKT4, 8および11を, 活性化T細胞の検定にはOKT9, 10およびTA-25, KOLT-2を使用した. 測定には, フローサイトメトリー (SPECTRUM III, Ortho 社) を使用し, 陽性細胞の百分率を求めた. その結果, 疾患群では, EAP後でOKT4/8比が有意 (p<0.01) に上昇した. このことは, ハリ刺激が生体の免疫機構に影響し, 疾患群に対しては, その免疫細胞の百分率の不均衡を補正し, 生体の恒常性を維持する作用として特定の免疫細胞を誘導したと思われる.

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