1989 年 9 巻 5 号 p. 441-446
三叉神経障害を経過中の早期に合併した混合性結合組織病の一例を経験した. おもな臨床症状は, レイノー現象, 左顔面のしびれ感, 四肢筋肉低下, 多発性関節痛, 嚥下障害, 全身筋肉痛であり, 血清学的には抗核抗体陽性 (speckled patern), 抗RNP抗体陽性, 抗Sm抗体は陰性であった. 三叉神経障害は, 第二枝および第三枝に著明であり, ステロイド療法に抵抗性であった. チクロピジンにより一時的に寛解したものの再び増悪した. SGBにより症状は改善し, さらにSGBとOHPの併用により, 左上歯肉部を除いてほぼ左右差がなくなる程度まで改善した.