日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
三叉神経障害を初期症状の一つとして認めた混合性結合組織病の1症例
竹田 智雄棚橋 徳重飯田 宏樹太田 宗一郎加藤 洋海山本 道雄
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 9 巻 5 号 p. 441-446

詳細
抄録

三叉神経障害を経過中の早期に合併した混合性結合組織病の一例を経験した. おもな臨床症状は, レイノー現象, 左顔面のしびれ感, 四肢筋肉低下, 多発性関節痛, 嚥下障害, 全身筋肉痛であり, 血清学的には抗核抗体陽性 (speckled patern), 抗RNP抗体陽性, 抗Sm抗体は陰性であった. 三叉神経障害は, 第二枝および第三枝に著明であり, ステロイド療法に抵抗性であった. チクロピジンにより一時的に寛解したものの再び増悪した. SGBにより症状は改善し, さらにSGBとOHPの併用により, 左上歯肉部を除いてほぼ左右差がなくなる程度まで改善した.

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top