日本臨床細胞学会雑誌
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症例
臨床的に悪性が疑われた diabetic mastopathy の 1 例
松原 美幸土屋 眞一原田 大川本 雅司
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2009 年 48 巻 1 号 p. 32-34

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抄録

背景 : Diabetic mastopathy は, 乳腺線維症の範疇に入り, 糖尿病との関連性が深いまれな良性病変であるが, 臨床的には浸潤癌との鑑別を必要とすることが多い.
症例 : 50 歳代, 女性. 右乳房腫瘤を自覚して来院. 超音波検査で, 右 AC 領域に乳癌を疑う辺縁不整な低エコー腫瘤が描出されたため, 穿刺吸引細胞診が施行された. 細胞像としては, 少数のリンパ球とともに末梢乳管上皮細胞の集塊が 1 ヵ所に認められた. 生検にて, diabetic mastopathy と診断された.
結論 : 臨床・病理双方で, diabetic mastopathy の臨床像・組織像・細胞像を理解することが, over surgery を防ぐうえで重要である.

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© 2009 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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