日本臨床細胞学会雑誌
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症例
破骨細胞様多核巨細胞を伴う甲状腺未分化癌の 1 例
岸田 奈津河原 真弓子貞嶋 栄司木下 準子山崎 加奈子入江 康司
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2010 年 49 巻 2 号 p. 112-116

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抄録

背景 : 甲状腺未分化癌は, 比較的まれな甲状腺悪性腫瘍で, 高度な侵襲性を示し, きわめて予後不良である. 今回われわれは, 破骨細胞様多核巨細胞を伴う甲状腺未分化癌の 1 例を経験したので報告する.
症例 : 80 歳代, 男性. 頸部腫瘤で近医を受診するも, 急激に腫瘤が増大したため, 当院紹介受診. 画像検査により甲状腺右葉下極に石灰化を伴った 5 cm 大の充実性腫瘤を指摘された. 穿刺吸引細胞診では, 出血・壊死性背景に散在性から集簇して多辺形∼紡錘形の異型細胞と多核巨細胞を認め, 甲状腺未分化癌と診断し, 甲状腺右葉摘出術が施行された. 摘出腫瘤は 8×6.5 cm の充実性腫瘤で, 一部に石灰化を認めた. 病理組織学的に大部分は破骨細胞様の多核巨細胞と単核の間質細胞からなる, 骨巨細胞腫様の像を呈し, 石灰化近傍では乳頭癌成分がみられた. 病理診断は anaplastic carcinoma with osteoclast-like giant cells であった. 患者は術後 5 ヵ月で両肺野への多発性転移を来し永眠された.
結論 : 本例の経験から, 破骨細胞様多核巨細胞を伴う未分化癌は, 細胞所見や臨床情報等から, 組織型の推定は可能であると考えられた.

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© 2010 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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