日本臨床細胞学会雑誌
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症例
腫瘍捺印細胞診が診断に有用であった高悪性度子宮内膜間質肉腫の 1 例
山崎 龍王野木 才美岩崎 真一藤田 裕大田 昌治田村 和也小林 弥生子梅澤 聡
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2011 年 50 巻 2 号 p. 120-124

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抄録

背景 : 子宮内膜間質肉腫はまれな疾患で, 腫瘍発育が子宮筋層内であることから術前に組織標本を得ることが難しく, 確定診断に苦慮することが多い.
今回, 子宮温存が必要な症例に対して, 経腹的穿刺細胞診 (Fine needle aspiration ; FNA), 腫瘍部分切除標本による, 捺印細胞診の機会を得たので本症例の細胞学的所見を報告する.
症例 : 41 歳, 未経妊未経産. 主訴は不正出血による貧血と子宮温存目的での子宮筋腫核出術を希望し当院紹介となった. 経腟超音波にて約 10 cm を超える子宮腫瘤を認めた. 子宮内膜細胞診および子宮内膜組織診陰性であったが, 胸部レントゲンにて両肺野に多発する転移を思わせる陰影像を認め, MRI では T2 強調像で変性子宮筋腫もしくは子宮内膜間質肉腫の可能性も否定できなかった.
FNA を施行したが, 悪性細胞所見を認めなかったために, 下腹部小切開による試験開腹での子宮筋層内からの少量の組織採取による腫瘍捺印細胞診を施行した. 内膜間質細胞に類似した小円形∼楕円形細胞が結合性の疎な集団ないし孤立散在性に出現しており, 子宮内膜間質肉腫が疑われ, 病理所見では紡錘形細胞の柵状配列と多数の核分裂像を認め, 免疫染色では CD10, Vimentin 陽性であり, Undifferentiated endometrial sarcoma と診断された.
結論 : 子宮筋層腫瘍に対する細胞診断は標本を得るための課題はあるが, 有用な方法となる可能性が示唆された.

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© 2011 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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