日本臨床細胞学会雑誌
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症例
著しい核多形性を示した腫瘤形成性 Bence Jones 型骨髄腫の 1 例
松本 一仁濱中 貴久子池崎 福治四釜 育与
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2011 年 50 巻 5 号 p. 289-294

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抄録

背景 : 多彩な核形態を示した腫瘤形成性 Bence Jones 型骨髄腫の 1 例を経験したので報告する.
症例 : 61 歳, 男性. 胸部痛, 腰痛, 坐骨部痛を主訴に当院を受診. X 線像にて左恥骨, 脊椎骨, 肋骨など多発性に骨融解性病変を認めた. 入院後, 左恥骨腫瘍の切開生検術を施行, 捺印細胞診ならびに生検所見にて骨髄腫が疑われ, 免疫組織化学的所見より BJP (λ) 型骨髄腫と診断された. 精査のため内科に転科. 胸骨骨髄穿刺では多彩な核形態を示す形質細胞の出現を認め, 尿・血清の免疫電気泳動検査にて BJP (λ) 型の M bow が認められた. 本例では恥骨腫瘍捺印細胞診ならびに骨髄穿刺塗抹所見ともに, 多くの腫瘍細胞の核に不規則な切れ込み, 弯入, 過分葉など形態異常が目立ち, 大型細胞や 2 核∼多核細胞もしばしばみられ, 多形性が高度であった.
結論 : 骨髄腫でも形質細胞が高度の多形性を示す症例はまれであり, 貴重な症例と考えられた. このような症例では Papanicolaou 染色のみではときに診断が困難であり, 診断の確定には May-Giemsa 染色の併用や免疫組織化学的検索が有用と思われた.

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© 2011 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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