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日本臨床細胞学会雑誌
Vol. 51 (2012) No. 1 P 13-21

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http://doi.org/10.5795/jjscc.51.13

小委員会報告

背景 : 喀痰細胞診は肺癌検診において, 肺門部早期肺癌の発見のための唯一のスクリーニング法であるが, さまざまな問題点も存在している. このため 3 学会 (日本肺癌学会, 日本臨床細胞学会, 日本呼吸器内視鏡学会) 合同委員会において検討を重ね, アンケートを行った.
目的 : 全国の肺門部 (早期) 肺癌の確定診断の実態を明らかにする.
対象と方法 : 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡認定施設・関連認定施設にアンケートを送付し, 2006, 2007 年の気管支鏡検査件数, 肺癌切除例数, 新規肺門部早期癌診断例数, その発見動機, 組織型, 治療法を, さらに可能な範囲で肺門部進行扁平上皮癌数, 喀痰細胞診陽性・疑陽性による検査件数, 喀痰細胞診による末梢型肺癌例数などに関して回答を求めた.
結果 : 504 施設にアンケートを送付し 308 施設より回答を得た. これらの施設は日本胸部外科学会全国集計の 57.1%をカバーしていた. 年間 150 例程度の肺門部早期肺癌が報告された. 報告数とカバー率から肺門部早期肺癌の全国における初回診断数は年間 154∼270 例程度と推定され, 肺門部の扁平上皮癌に関しては全国で年間約 4,000 例の存在が推定された. しかし, 早期癌の比率は肺門部扁平上皮癌全体の 10%を下回っていた. さらに, その発見率には地域差がみられた.
考察および結論 : 肺門部肺癌に関しては, 現在診断されているよりも, さらに多くの症例で早期診断の機会があったと推測され, 肺癌検診のさらなる精度管理や喀痰細胞診の受診勧奨など, 検討すべき事項が存在するものと推定された.

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